46. モンスーンって何?

私たちが住む日本では、夏には暖かい南風が吹き、冬には冷たい北風が吹きます。このように季節により大きく風向が変わる風を季節風(モンスーン)といいます。なぜ、このような風向の変化が生じるのでしょうか? 風向の変化は、日本付近だけではなく、南アジアから東アジアにかけての広大な領域で発生しています。これにはユーラシア大陸と周辺海洋の海陸分布が大きく影響しています。北半球の夏は、大陸が強い太陽光に加熱され、気温が上昇します。暖かい空気は軽いため上昇し、大陸上の下層大気は低気圧になります。一方、海洋は水温の変化が地表面と比べて小さく、気温が低い海洋上は高気圧になります。この気圧配置と地球の自転によるコリオリの力(ちから)のため、大気下層では高気圧の海上から低気圧の陸上に向かって西から南西の風が吹くようになります。この海からの湿った南風がアジアの国々に豊富な雨をもたらし、世界人口の6割を超える人々の生活を可能にしています。冬は夏の反対の気圧配置になるため、日本付近は北風が吹くようになります。