40. 温室効果とは?

地球は太陽放射を熱源として温暖な気候を維持しながら、同時に赤外放射(赤外線)を介して宇宙空間へ排熱することで熱的なつり合いを保っています。そのとき赤外放射は対流圏上層から排熱をおこないつつ、同時に下層の大気を保温する働きがあります。これは、水蒸気や二酸化炭素のように赤外放射を吸収・放出する気体(温室効果ガス)の作用によるものです。温室効果ガスそのものは、私たちに住みやすい気候を維持するために不可欠ですが、化石燃料の爆発的な普及拡大に応じて大気中の二酸化炭素が急速に増大する結果、熱的つり合いの状態が変化し、平均気温が少しずつ上昇していると考えられています。20世紀初頭からの百年間で、世界の平均気温は1℃弱上昇したことがわかっており、化石燃料の消費に歯止めがかからなければ、今後温暖化がますます加速していく恐れもあります。