30. 台風のときになぜ竜巻が発生するの?

竜巻は英語ではトルネードといい、米国では毎年1300個ほど発生します。それに比べると日本での発生数は少ないように思われますが、1km2あたりの数にすると、米国の半分ぐらいの数になります。日本は竜巻の多い国なのです。日本の場合、竜巻の発生総数の約5分の1以上が台風に伴って発生します。すべての台風が竜巻を伴うわけではありませんが、台風の中には竜巻を伴うものが多くあります。竜巻の多くは台風の中心から数100kmも離れた東~北東側で多く発生します。1999年9月24日には山口県付近を北東に進んでいた台風18号に伴い、愛知県豊橋市では藤田スケールで3つの竜巻が発生し大きな被害をもたらしました。このとき、豊川市と蒲郡市でも竜巻が発生しています。2006年9月17日には宮崎県延岡市で3名の死者を出した竜巻が発生しました。最近では2019年9月22日にやはり延岡市で台風17号に伴い竜巻が発生し大きな被害が出ました。台風の中心の東側では多量の水蒸気が流れ込み、大気が不安定になるので活発な積乱雲が多数発生します。なかにはスーパーセル積乱雲とよばれる危険な積乱雲も発生します。これらがしばしば竜巻をもたらします。台風は中心が遠くにあっても、竜巻による突風災害が発生することがあるので注意が必要です。